新商品より「新たな視点」:ラーメン店「日高屋」に学ぶ

 関東圏に約350店舗を構えるラーメン・中華料理チェーンの「日高屋」。

 関東在住の方は、一度は足を運ばれたことがあるのではないでしょうか。

 

 この日高屋のウリは390円のラーメン(中華そば)なのですが、

 ギョーザの注文も非常に好調です。

 

 日高屋のギョーザは6個210円。

 売れ行き好調のわけは、値下げでも具材変更でもありません。

 

 その秘密は、

 『6~7分かかった焼き上げ時間を1分半に縮めたこと』です。

 

 焼き時間短縮で、注文からほぼ3分でお客様に提供する、

 「一皿の時間差」で消費をつかんだのです。

 

 時間短縮は、何かと時間に追われる昼間のランチ客のイライラを解消し、

 夜の客層にはつまみの価値を高め、

 (一品単価は低くとも)

 "ちょい飲み族"を呼び込む「駅前出店」と相まって、客単価を680円程度に押し上げています。

 

 

 また異業種でも、美容チェーンの田谷はパーマをかけて変身した姿を

 前もって見せる「時間の逆転術」で利用客を増やしました。

 

 施術前にヘアムースを使って9分で本人の髪形を変える

 『擬似パーマ』という手法です。

 

 利用客はこの疑似パーマで仕上がりをイメージできるので、

 安心してオーダーできます。

 

 

 ◆ さて、あなたの会社では?

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 新事業やヒット商品を生み出そうとすると、

 得てして奇をてらったものを想像しがちです。

 

 既存の市場にないものを追求するあまり、

 目の前のチャンスを逃す場合もあります。

 

 日高屋も田谷も「時間」という視点から、

 定番商品をいかに魅力ある商品にしたかという事例です。

 

 大ヒットではなく、視点を変えることにより、

 売上増へつなげています。

 

 あなたの会社ではいかがでしょうか?

 

 顧客は、なぜあなたの会社を支持しているのか?

 

 顧客の視点に立つと、

 支持されているポイントと敬遠されているポイントが見えてきます。

 

 社内では当たり前だと思っていることも、

 顧客の視点、外部の視点から見ると、

 素晴しい価値を生み出すポテンシャルを秘めている場合があります。

 

 大事なことは切り口を変えて見ることです。

 社内の常識を疑い、当たり前のことをゼロから見直してみる。

 

 必要なのは、新しい商品ではなく「新しい視点」なのです。

 

(今回は備忘録として市山智孝様(NBCコンサルタンツ 本部長)のメールを引用させて頂きました。)